バタバタバタ

誰かが廊下を走って近づいて来た



「蒼兄…凌さん」


「大丈夫か?」


「嵐は絶対大丈夫だ」


2人共顔が真っ青だった



「…蒼兄」


蒼兄は優しく頭を撫でてくれた



「嵐が愛梨を置いていくはずがねーよ」



頷く事しか出来ず
涙を流しっぱなしだった



明君が戻ってきた



「…愛梨ちゃん俺のせいなんだ
…ごめん
さっき謝るべきだったんだけど…」


「何があったの?」


「…ZEROz絡みか?」

凌さんが聞くと明君は頷いた



ZEROzって何…


明君が説明をしてくれた

嵐や明君が以前、顔を出していた
暴走族グループ


ZEROzは今、頭相続で揉めてて
小宮という人と後藤という人で分裂しているらしい

ほぼ小宮という人で決まりが濃厚

ZEROzに入ってないのに嵐を結構慕っている人が多い

だから、後藤っていう人は嵐を利用しようとした


「それで拒絶したらやられたのか?」


凌さんに聞かれて明君は頷いた



「嵐は拒絶し続けたけど…
後藤が…チームに入らないなら
1番大事な物を壊すって…
嵐が生温く(なまぬるく)なったのはそのせいだろうって」


「…愛梨の事だな」


「だから…嵐がキレて
でも…暴力は振るわなかった
それを良い事に…」


リンチ…


「それでも了承しない嵐にキレて後藤が刺した」


思わず手を口に持っていった


「そんな事で…」


「後藤はそういう奴なんだよ
キレたら見境がない
だから下の奴らも拒絶してる」


蒼兄がそう言った後
手術室を見つめた