夏休みに入り、一緒に暮らし始めて10日が経った

もうすぐ7月も終わる


彩とも2回ぐらい遊んで
今は嵐の家にいると言うと驚いてた


明君はよく遊びに来てた

蒼兄と凌さんもたまにやってくる

3人とも来ると必ず夕飯を食べて行く



「今日は付き合って欲しい所があるんだけど」


「いいよ
どこに行くの?」



「メット持ってついて来て」


行き先は言われなかったけど
バイクで出かけるんだと思って
私は用意をした


「じゃあ出かけるから」


無表情でいつになく口数が少ない

そんな嵐に少し不安になりつつも
しっかり捕まってバイクの後ろに乗った


嵐は途中、花屋さんに寄った


その時、今日が何の日か気づいた


花を買った後、嵐は無言でバイクを走らせた

少し走ると海が見えてきた

海に着くと、抱きかかえられてバイクを降りた


一言も話そうとしない嵐


何を考えてるんだろう


自分を責めているのかな


嵐は何も言わず海に向かって歩き出した


波打ち際で立ち止まった嵐を追いかけるべきか
そのまま待つべきか悩んだけど
私は少し離れて砂浜で座って待つ事にした



嵐はさっき買った花を思いっきり遠くに…
海に投げた


花束が寂しそうに波と揺れている


そのまま立ち尽くす嵐の背中はとても寂しそうだった


無性に抱きしめたくなった