隣の席の君


帰りは一緒に帰る事にした

いつもの公園で、バイクに乗り
嵐に連れて来られた海


砂浜に2人で座り込んだ


海に来る時は嫌な事があった時
辛い過去を思い出させちゃったんだよね…

寄せては返る波を見ながら思った


後ろから嵐に抱きしめられた

嵐の香水の匂いが好き


「嬉しい時でも海って見たくなるもんなんだな」


そう言いながら私の頭に顎を乗せた


時間が経つのも忘れるぐらい
2人で海を眺めた


穏やかな時間

こんな時間が続けば良いな



海を眺めた後、嵐はポツリと呟いた


「腹減った…」


「ぷっあははは、何か食べる?」

小さい子供みたい


「オムライス食いてーな~」


「作ろうか?」


「えっ…でも…」


「オムライスって結構簡単だよ?」


「じゃ俺の家に行くか?」


えっ?

親とかいるんじゃないの??


「心配しなくても誰もいねーから…」


どういう意味だろう


何もないって言うからスーパーに寄って貰った


何も言ってないのにカートを押してくれる嵐

何だか嬉しそう


私はカゴに卵や材料を入れた

会計は嵐が済ませてくれた

買った物を袋に入れた後も
さり気無くそれを持って出てくれる