昼休みが終わる10分前になると

嵐君は明君と教室に戻ってきて

明君の席で話をしてる


大体これが日課


それを見て彩が自分の席に帰る


嵐君なりの優しさなんだと思う


だから、彩がいなくなっても
すぐには戻ってこないんだ


携帯をいじってると影が出来て上を見上げた


「川瀬蒼登の妹?」


誰?この人


襟のバッチを見ると3年生なのがわかる


最近はこういう呼び出しなかったのにな…


「…どなたですか?」


「3年のタナハシだけど
ちょっと着いてきてくんない?」


はぁ…

仕方なく廊下に一緒に出た


「何ですか?」


「川瀬の妹らしいな、気つえ~
泣かせてみてーな」


はっ?


「俺、先週川瀬にボコボコにされたんだよな」


だからなんで私?


「…そういうのは当人同士で話してください」


「だから妹に責任とって貰おうと思って」


はぁ?

話聞いてないよ…この人

直接蒼兄に言って欲しい

…ってか言えって感じ


「へたれだ…」


「あ"ぁ?!」


ヤバイ!!!


小声で言ったのに地獄耳だ


完璧切れちゃったよ




「先輩こいつに何か用っすか?」