「嵐君のご両親があんな感じだったでしょ?

パパが怒っちゃってね」



「パパが怒ったの?」



「パパはいつも私の事と

あなた達子供の事が第一で

何かあれば真剣に怒るわよ」




「おい、瑠璃」



「委任状を書くという事は

嵐君はもう我が家の息子ですから

返せと言われても返しません

例え娘と別れてでもです

あの時の大地はカッコよかったわ~」


「パパとママは嵐君はもう家族だと思ってる」


嬉しくて涙が出た


「嵐君もいつかそう思ってくれると良いんだけどね」


ママが呟いた瞬間


リビングのドアが開いた


蒼兄と嵐…



「寝てたんじゃなかったの?」


「愛梨がいなくなったのぐらいわかるし…」


嵐は寝が浅いんだった



「こりゃ全部筒抜けかな」

パパが照れくさそうに笑った


「親父達だけでいい話してんなよ」


蒼兄が嵐の肩に腕を乗せながら

私の隣に嵐が、その隣に蒼兄が座った


ママが紅茶を入れてくれる


「俺、本気で嬉しいです」


「俺は嵐の事は弟とは思えないな」


蒼兄の一言にみんなの視線が集中



「弟っていうよりは親友だな

愛梨の男で親友

でも、大事な妹を任せれるのは嵐だけだ

弟だと対等じゃないからな

嵐も、俺の事は親友だと思って蒼登って呼べよな?」


蒼兄が照れくさそうに言った



「本気で嬉しい」



「嵐君はもう家族の一員だ

困った事があれば私達なり

蒼登なりに言いなさい

基本は愛梨だけど1人じゃないんだからな」


パパの一言に嵐は静かに頷いた



「さぁさぁもう寝なさい」


ママに促されて2階に上がった