隣の席の君

明君がバイクのメット入れからパーカーを出した


「さすがに上半身裸じゃ目立つから」


「ありがとうな」

嵐は受け取ってパーカーを羽織った


嵐が赤い私のヘルメットを私に被せてくれる


抱き上げられてバイクに跨った


嵐が前に乗った


「手回せるか?」


手を前に回した


「……っ…」


前には回せれるけど握りしめていられない


嵐はシャツの袖口を結びつけて
バイクを走らせた


嵐の背中の温もりと
シャツから香る嵐の匂い

頬を撫でる風にようやく安心できた


目を瞑って家に着くまで
ただ風を感じていた


家にはすぐ着いて
嵐に抱きかかえられてバイクから降りた


優しく髪を指を絡ませながら撫でてくれる



そう言えば…彩は?


そう思った瞬間、明君のバイクが止まった


「相変わらず嵐は飛ばすな~」


明君の声を聞きながら玄関を開けた



真っ青な顔で涙を流しながら
カタカタ震えて座り込んでる彩が居た


「…彩?」


「…うわぁぁぁん、愛梨~」


彩が抱きついてくる


「何も出来なくてごめんね~」


「ううん、ちゃんと伝えてくれてありがとう
心配かけてごめんね?」


彩は首を左右に振りながら泣き続けた