嵐はリビングのソファに座って
ミネラルウォーターを飲んでた
「…嵐?」
何も…言ってくれない
涙が出てきそう
私もミネラルウォーターを取り出して一口飲んだ
こっちを見ようともしない
飲みかけのまま蓋をしめて冷蔵庫に戻した
もう…寝よう
でないと泣いちゃいそうだもん
「先に…寝るね…」
まだ無言のまま
トボトボと寝室に向かってベッドに入った
何がいけなかったのかなぁ
いつもの嵐なら…フッて軽く笑って終わりなのに…
恥ずかしすぎてないって言っただけなのに…
「ヒック…うぅ…グスン」
涙が止まらない
せっかく嵐が退院してきて
また一緒にいられると思ったのに…
夏休みも後少しで終わっちゃうのにな
カチャッ
嵐が入ってくる音が聞こえて
唇を噛み締めながら涙を堪えた
嵐が布団に入って来るのがわかる
いつもならくっついてるのに
嵐と距離があるのがわかる
嵐の方を振り返ると、嵐は私に背中を向けてて
その背中が私を拒絶してるように見えた
「…嵐…ごめんね」
何で何も言ってくれないの…
「………嫌になった?」
何か言ってよ…
一緒になんていられないよ
また泣いちゃいそう
布団を捲って足元からベッドに降りた
ガシッ
「どこ行くんだよ」
「リビング」
「何で?」
冷たい声が寝室に響く
「口聞いてくれないから…
一緒にいたくないんでしょ?」
「はぁ?何言ってんの?」
「…ふぅ…うぅ…」
堪えてた涙がまた溢れ出した
「何泣いてんだよ」
背中から抱きしめられた
「だって…嵐が…口聞いてくれないんだもん」
「んな事ぐらいで泣くなよ」
そんな事ぐらいじゃないよ…

