マンションに帰って来て
玄関に入った瞬間、嵐に抱きしめられた
「やっと2人になれた」
耳元で小さく囁かれて
顔が赤くなるのがわかって俯いた
でも、嵐はあっさり私から離れた
「さぁ風呂入ろ」
ちょっと期待しちゃったよ…
「嵐~お風呂入れるよ?」
「一緒に入るぞ」
一緒に入るのなんて久々で
凄くドキドキする
「傷…大丈夫?」
「これぐらい心配ないし…
でも、腕上げると痛い
頭洗って」
えっ?
嵐がこんなに甘えてくるなんてなくて
驚きつつも心臓が止まるんじゃないかってぐらい
またドキドキし始めた
「もう仕方ないなぁ」
嵐の髪を優しく洗う
柔らかくて細い少し癖のある髪
「すっげー気持ちいい」
…良かった
頭にお湯をかけて洗い流した
2人で湯船に入る
後ろから抱きしめられてて
ホッとする
「ふっ…愛梨の心臓ドキドキしすぎ」
言わないでよ~
「だって…久々なんだもん
恥ずかしくてドキドキする」
「…ここで襲われたい?」
「ふぇ?
…んな事ないない!!なーい」
嵐は何も言わずお風呂から上がってしまった
慌てて追いかけて出る私
何か不機嫌そう
「…怒った?」
「怒ってなんかねーよ」
「…うそだ」
「しつけーな」
冷たい視線
ズキッと心が痛んだ
上半身裸で出て行った嵐
パジャマを着て仕方なしに出た私