とりあえず席につこう。

やっぱりこの人ってあのヤンキー君だよね...。確か、名前が七瀬......

___ムクッ

「後ろでちょろちょろすんなっつーの。」

ん、この声は__

目の前ではヤンキー君が体をおこしている。

わわわ、ヤンキー君のこと起こしちゃった!

それにしても、キレイな髪だな...。
身長はあまり高くないけど、細身で筋肉質。よく見れば顔もなかなか...

って!こんなこと思ってる場合じゃないってば!

あたし今、ヤンキー君のお昼寝をじゃましちゃったってことでしょ。と、とりあえず謝らなきゃ!

「ごめんなさい!!あの、その、別にあなたを起こすつもりはなくてですね...」

ヤバい!テンパってる!めっちゃこっち見てるし、どーしよ~。

「名前。」

「へっ?」

「だから、お前の名前。」

えっ、なんであたしの名前聞くの~。もしかしてあとから何かに使うためとか...。

でも、ここで教えないのも変だし...。

「名前ねーのかよ。」

「あ、はいっ!えっと、牧野です。」

「下。」

「え、えっと、華です。」

「ふーん、華ね...。俺さ、眠いからしばらく静かにしててくんね?」

「はいっ!了解しました!」

ヤンキー君は、また何事もなかったように机につっぷし寝始めた。