「柑菜~」

走ろうとした時に、聞こえた…声。
私を呼ぶ…大好きな人の声。

「真守さん?」

目の前には、傘をさした真守さんが立っていた。

「ほら、濡れる」

真守さんは、私の肩を抱き寄せて傘に入れる。

「あ、ありがとうございますッ//」

「なんも。君、この傘使い。風邪ひく」

真守さんは、千聖に傘を渡す。

「どうも。あの、これから…柑菜と約束あるんですけど」

「すまんが、また次の機会にしてくれ。今日は、俺との約束入っとんのや」

え?真守さん?
約束なんてしてたっけ…?

「そうですか、それじゃあ…柑菜また明日」

「うん、また明日ね。ごめんね」

真守さんが来てくれたのは、嬉しかったけど…千聖に悪いことしたなぁ。