「ほらほら、泣かないの!真守さんにそんな泣き顔で会うの?」

「ううんっ…グスッ」

…あー、まさか……結婚式、こんな早くできるなんてっ

「あ、櫻田さま!こちらにおすわりください」

部屋にいた、女性が私に話をかけてきた。

「柑菜、この人はヘアメイクの人!お色直しとか全部面倒見てくれるから!とりあえず今、やってもらおうか」

こんなことまで…!!

「すいません、よろしくお願いします」

「はいっ!!では、こちらにどーぞ」

大きなドレッサーの前の椅子に座る。
なんか、お姫様になった気分だ。

「髪の毛は、どーしますか?」

「えっと…あのウェディングドレスに合うようによろしくお願いします」

「かしこまりました」

鏡に映っている自分は、だんだんと別人に見えてきた。化粧と髪型でこんなにも変わるんだ。