3日後の今日は退院日。
朝早くから真守さんが来てくれて、
少し空気のいいところにドライブに連れていってくれるらしい。

入院中は、たくさんの人が来てくれた。
雪路先生、榎本さん…梨花さんと文香さんも。
梨花さんと文香さんは、仲悪かったみたいで結構お互いのこと悪く言い合っていた。
悠梨と翔さんと千聖と真守さんは毎日きてくれた。

そのおかげで毎日退屈しなかった。

「柑菜~」

「あ、真守さん!」

「行くよ」

真守さんは、荷物を持って歩き始める。
私はその背中を追って病室からでる。

途中ナースステーションによって、お世話になった看護師さんに挨拶をしてから病院を後にした。

車に乗ると、久しぶりに乗るからなんだちょっと緊張した。

「真守さん、どこいくの?」

「ん?空気のいいところ、ちょっとコンビニ寄ってから行こっか」

やっぱり、運転する姿はかっこよくて…
真守さんの隣は特等席だな~っていつも思う。

「柑菜体調悪くない?大丈夫?」

「大丈夫だよ」

気を使ってくれてるのかな…
優しいよ、真守さん。

昔のことを思い出したけど、何も変わらず今があって…これでよかったんだって思える。

もし、真守さんのことを覚えたままだったら恋に落ちてないかもしれなかったから。

一つ大きな山を越えたから、
今のこの状況があるのだろう。