写ってた女の子は、私。
隣にいる子は?

ねぇ?真守さん?
「…この人真守さんなの?」

「……」

「どうして、黙ってたの。」

おかしいなぁ、こんなはずじゃなかったのに。
真守さんにごめんなさいって謝るはずだったのに。

「ねぇ、なんで初対面のふりしたの?真守さんのお母さんも、私のままも…真守さんも……私に黙ってたんだね、大事なことなのに」

こんなことが言いたいんじゃない。
なのに、口が勝手に動く。

「それは…」

「なんも、聞きたくないよ。もう、真守さんの顔なんてみたくないっ」

私は、真守さんの家を飛び出して無我夢中で走った。

え…

交差点を渡るところで、車が横から走ってきた。よけれるわけもなく私はひかれた。

スローモーションにみえた。

────飛び出さない!確認しなきゃ!

あ、そうだ。
私…小さい頃よく注意された。

今もそうちゃんと確認してたら、事故にあわなかったのに。

…後悔してからじゃ、遅いのに。

「柑菜、柑菜」

私を呼ぶ声が聞こえる。
大好きな声を耳にしながら、私の意識は遠のいていった。