「柑菜の怖がり」

「怖くなんかないですもんっ、驚いただけですからっ」

驚いただけなんて、嘘。
ホントは怖い。

「じゃあ、離れて歩く?ん?」

「い、いやです」

「素直じゃないな〜」

クスクスと笑う真守さんをみてると、
不思議と恐怖感が抜けた。

《出口》と、書かれた看板がある。
もう、出口か…はやいなぁ。

「な?あっという間だったやろ?」

うん、早かった。
真守さんと一緒だったからかな?

私と真守さんは出口からでた。

「んんっ」

暗かった教室だから、廊下が眩しく感じるや。

「ほな、次どこいく?」

「えっと「きゃーーーーーーっ」」

私の声は誰かの悲鳴によって、かき消された。

「柑菜、すまん。ちょっと待ってて」

「えっ、真守さん?!」

真守さんは、悲鳴がした方に走っていってしまった。真守さん、どうしたんだろう?

私は、離れていく真守さんの背中を目で追うことしかできなかった。