ってか、お化けの格好してるのにノリいいってどうなの…お姉さん!

「柑菜、俺が一緒におる。心配せんでも置いていきやせんよ」

そんな言い方されては、断れないではないですかぁぁぁ!

「行こ?」

こくんと頷くと、真守さんは私の右手を掴んだ。繋がれた右手は熱くなっていった。

って、私…うまく乗せられた?!

「では、2名さまごあんなーい」

お姉さんは、お化け風にそういう。
いやいや!入るってなった時に言わないでくださいぃ!

えぇい!
どーせ作り物どんとこーいっ!!
もう、やけくそだ!

入口を潜れば、ひやっとする。
え、ほんとに教室?って思うほど空気感が違う…江戸の街みたいな、そんな…感じ。

「くすっ、柑菜怖いん?」

「こ、怖くなんかないですっ」

怖くない怖くない…
ただの作り物だもんっ