「え、うんうん…」

あれ?
気づいたら悠梨は電話に夢中…
あれ、私との会話わ!?

「あ、あの~」

「うん…え、今から?」

悠梨は、チラッと私の方を見ると…

「いいよー、じゃあ駅でね〜……ねぇ、柑菜ぁ…?そのさ、これから彼氏とデートしてきてもいいかな?!」

電話が終わった、悠梨はいつも以上に美人な顔をしてわたしにお願いする。
うん、だよね。なんとなくわかったよ…

ってことは、ケーキなし?!
え、なしなの?!

「今度埋め合わせするから!それに、このケーキバイキングの券あげるから!」

「…絶対だよ?」
…券をもらえるみたいだし。
悠梨と彼氏さんには幸せでいてほしいもんね…別に、ケーキに釣られたわけじゃないからね?!

「約束!じゃあ、これ券ね!ばいばーい!」
券を私の手に握らせると悠梨は、すぐに帰っていった。
うん、悠梨すごいよほんと。

さ、私も帰ろう…

バイキングの券をカバンにしまって、
学校を出た。

「暑い…」

じんわりと汗が滲むこの季節。
アイス買って帰ろう…