「それだけやのーて、借金取りが家来たりバタバタしててな」

借金取り…考えただけでも恐ろしい。

私は言葉を見つけれなくて、
ただ黙って聞いてるしかなかった。

「唯一、話聞いてたんが俺しかいなくてな」

「そうだったんですか」

でもね、真守さん。
文香さんは真守さんのことが好きなんだよ?

「だから、しばらくの間…我慢したってくれるか?」

…我慢。
いやだよ、そんなの。
肩身狭い思いして…辛くて辛くて。

「柑菜なら、わかってくれるって思ったんやけど…」

真守さんはずるい。
そーやっていったら私が断れないの知ってるくせに……。

「はい、我慢します」

我慢せざる負えないのに。

「うん、できるだけ辛い思いはさせへん」

真守さんは優しいから仕方ない。
やっぱり優しいから私とはお情で?

「真守さん?これだけは教えてください」

「ん?」