「あの…実は…「真守〜っ!」」

え?
この声って…

「り、梨花?!」

「や、奇遇ね!この海だったなんて知らなかった~っ」

梨花さん……

「あ、えっと…柑菜ちゃん!ちょっと、真守借りていいかな…」

そんなこと言われても、ダメって思っても…
ダメなんて言えないじゃん。
そんな資格ないし…権利もない。

「あ、どうぞ…」

そーやっていうしかないじゃん。

「ありがとう!真守ちょっときてきて」

「梨花引っ張んなや」

梨花さんは、嬉しそうに真守さんの手を引っ張って走る。
梨花さんの赤い水着が目の奥に残る。

ぽつんと残された、私。

どうしていいかわからない…。