「あ、柑菜!あったよ」

…どうして、そんな必死に探してくれるんだろう。なんでそんな笑顔で…私に話してくれるんだろ…

「ありがとうございますっ!」

手には、ピンクとか水色のガラス。
きれいだなぁ…

「柑菜ちょっと耳貸して」

なんだろ…
私はそっと耳を傾ける。

ざーっざーっと海の音が聞こえる。

「これって…貝殻?」

真守さんが持っていたのは大きな貝殻。

「いい音でしょー、貝殻って海の音するっていうでしょ?嘘だと思ってたらホントだったんだ。海って嫌なこと忘れられるし…」

「え?真守さん?」

「なんか、浮かない顔してる。なにか、考え事?」

私の顔をのぞき込んでくる真守さん。

これといって、悩み事なんてなかったけど…
もしかしたら心のどこかで梨花さんのこと気にかかってるのかな…