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「それじゃあ、またね〜」

「うん!詳しくは、メールするね!」

真守さんの家に住んでる私は、
途中で帰る。

ちなみに、千聖には同居してることを言ってないから…用事あるから先に帰っててってことにした。

遠く歩いていく二人の姿をみて、なんだか置いていかれたような気持ちになる。

マンションの階段を上がっていくと、
美人な女の人が向こうから歩いてきた。

…うわぁ、美人さん。
真守さんも美人がタイプなのかな…。

横をすれ違えば、香水の匂いが鼻をくすぐる。
でも、その匂いは嫌な匂いじゃなくて…ふわっと香る甘い匂い。

カツカツとヒールの音を鳴らして歩く女の人は、大人っぽくて…階段を降りていくまで見つめてしまった。

「柑菜。おかえり」

「あ、真守さん!ただいまです」

前に向き直れば真守さんが立っている。