「付き合ってないですよ?千聖は、大切な存在ですけど…恋愛対象としてみてないですし…なんか兄弟?みたいな…」

いつの間にか抱きしめられる力は緩くなって真守さんは、ほんのりと顔を赤くしている。

「なんや一人で焦って勘違いして…バカみたいやな」

手の甲で口元を隠す真守さん。
なぜかその姿にキュン、、っとしてしまう。

「ほな、行こうか」

私の手をとり歩く真守さん。
今度は、無言なんかじゃなくて…
ちゃんと会話をしながら。

────────────

「真守、柑菜ちゃんおかえり〜」

「おかえりなさい〜」

「….…」

ドーナツ屋さんに戻ると、三人でテーブルを囲んでいた。

千聖は、私じゃなくて…真守さんと翔さんをすごく睨んでいる。

「うわー、なんかすごい俺睨まれてる?」

気づけば、真守さんも翔さんのことを睨んでいる。