立ち止まったのは、
人気の少ない場所の路地裏。

知らない人についてきたわけじゃないから、恐怖感はないんだけど…
なんで?っていう疑問が生まれる。

「真守さん?」

私が名前を呼ぶと真守さんは、何も言わずに私を抱きしめる。

えっ//
だ、抱きしめ…///

みるみるうちに赤くなる顔。
上がっていく体温。
いきなりのことに追いつかない頭。

「柑菜…なして、千聖くんなん?」

「えっ//」

「俺じゃ、ダメか?柑菜」

え…それってどういう意味?///

「真守さんっ//それってど、どういう意味ですかッ//」

「そのまんまの意味やで」

ボソッと耳元で呟かれる。

抱きしめる力は弱まらなくて…
私の心臓の音が真守さんにまで聞こえそう。

「…柑菜のこと、離したくない……」

「…!!真守さん、私どこにも行きませんよ?誰のものでもないですし…」

「え?千聖くんと付きおうたんとちゃうんか?」