「いつまで、強がってるつもり?こんな、浮気症でDV男のどこがいいわけ?」

「…ってめぇ!」

「か、翔さん、逃げてっ」

ギュッと、目を瞑る。

「全く、不意打ちじゃなきゃ勝てないわけ?」

「え?…」

目を開ければ、
倒れてる亮。

「…さ、悠梨……助けては?」

私の目の前にしゃがみこむ翔さん。

いきなりの呼び捨てに、
ドキドキする心臓。

「…翔さん、助けて……助けて…」

「了解……さぁ、どうする?彼氏さん?ちなみに、俺…空手1段持ってるけど?」

「…そ、そんな女くれてやるっ」

亮は、逃げるように去っていった。

「大丈夫だった?」

ポンポンっと、
頭をなでてくれる翔さん。

この手…優しいなぁ…。

「悠梨ぃ」

えっ…
「柑菜?!!」

泣きながら抱きついてくる柑菜。
どうして、柑菜が…?