「もう、どうしてくれるの…二人とも…ばか…悠梨にもしものことあったら…」

「ごめん、」

「柑菜ちゃん、ごめんね。俺たちのせいで、とくにこいつのせいで…とりあえず、歩こ?」

「ううん、私もごめんなさい。悠梨は探さなきゃ行けないんだ」

悠梨待っててね。

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「ハァハァ…見つけた……」

3時間後やっと、
悠梨を見つけることができた。

「ふ、二人とも早いよぉ…」

二人とも反省したのか、
すごく真剣に探してくれて…

「…ちょっと、悠梨こっちこい」

「え、うん…」

チラッとこっちを見た気がするのは気のせい?それとも、バレてる?
悠梨は、彼氏に手をひかれ路地裏に入っていく。

「悠梨っ…」

こっそり、路地裏をのぞく。

「さっきから、チラチラ後ろ見てなにしてんの?男でもみてんの?」

「違うっ…」

「じゃあ、何見てたの?悠梨。俺以外見てんじゃねーよ?」

パシッと彼氏によって叩かれた、悠梨の頬。

「ご、ごめんなさ……ッ」
何度も何度も叩かれる悠梨。

私はいてもたってもいられなくて、その場に泣き崩れる。
私ってなんて役に立たない、人なんだろう。

ただ思ってるだけじゃダメなのに…
行動に移さなきゃダメなのに…
動けない……

「柑菜ちゃん待っててね…」

翔さんはぽんっと頭を撫でると、
スタスタと路地裏に歩いていった。