…あ、いい匂い……。
これは…フライの匂い……?

ん?誰か呼んでる…?

「…なちゃん……柑菜ちゃん」

「…ふぇっ?!」

目を開けると、真守さんの顔がドアップであった。

び、びっくりしたぁ…!!
私ってば寝ちゃってたんだ…。

「ご飯できてるよ…クスッ」

「寝ちゃっててごめんなさい…」
ほんとに、申し訳ないです…。

「気にしないでええよ。ほら、冷めないうちに食べよか」

テーブルの上には、
ご飯と味噌汁そして…千切りキャベツの上にエビフライが乗っているお皿が置いてあった。

「す、すごいっ!美味しそうっ」

私は、キラキラ目を輝かせる。
こんな美味しそうな夕飯…ままでも作れないよ。
真守さん何者?!

「いただきます!」

「はいどーぞ」

パクっ…
一口食べればそれはそれは…
ふわふわカリッとしたエビフライが口の中に広がった。
これは、たまらんっ…!!

「おいしい〜っ」

「よかった、柑菜ちゃんみたいに美味しそうに食べてもらえたら作ったかいがあるし…それに食材も喜んどるやろな」

笑顔で、そんなことをいう真守さんはとっても紳士的だ。