「好きな人か……」

真守さんの表情がどこか寂しそうに見えるのはこの街灯のせいなのかな。

「けど、ほんまに…連絡せえへんで夜遅くまではやめてくれ……なんかあったんじゃないかとかすごく、焦る」

「ごめんなさい…」

「それで、ええんや」

にこっと、微笑む真守さんに…いつもの幸せを感じる。

「ほな、帰ろうか」

“焦る”って、
なんで焦ったんだろう…。

お母さんに私のことを任されてるから?
心配だから?

それとも、

私のことが…“大切”だから?


…真守さん、教えてください。
時々、真守さんの優しさに溺れて…勘違いしちゃいそうになります。

真守さんと私は手を繋いで、
夜の道を帰った。