「柑菜?聞いてた?」

千聖に名前を呼ばれ、千聖を見る。

「あ、ごめんね…聞いてなかった…」

「あのなぁ…」

あれ、千聖呆れてる?
ってか…悠梨は……どこに…。

「ねぇ、千聖…悠梨は?」

「あぁー、悠梨は…先輩に呼び出されてる」

千聖が、指さしたのはドア方。
ドアの前では蛍先輩と悠梨が話してる。

さすが、悠梨…美人さんはモテますな。

「なぁ、柑菜…今日、牛丼食いに…」

「ご、ごめんね!私、これから…翔さんと出かけることになっちゃったのっ」

…2回も断ることになるなんて。
千聖には、すごく悪いな…。

千聖は、さっきより落ち込み気味だった。

そ、そんなに牛丼食べたかったんだね…

「柑菜~」

蛍先輩と、離れて戻ってきた悠梨。

「あ、おかえりなさい」

なんだか、少しニヤニヤしていた。
な、なにを企んでいるッ?!