「わかってるわかってる。誤解されたくないんだろ?」




「わかってるなら早くどいて!」




「無理っ!」




即答かいっ!!




もうっ、いつもならもう離してくれるのに!




今日はなぜかしつこい!




力を強めるだけで、黙ってしまった尚。




…尚?どこ見て…。




尚の視線を辿っていくとたどり着いた人。




佑樹くんが…こっちを見てるっ。




やばいっ、いきなり恥ずかしくなってきた…っ。




って、早くこの体制どうにかしないと誤解されちゃう!




「な、尚!離して!」




「いーやっ」




なんで離してくれないのよ…っ。




離してくれない尚にだんだんと涙が溢れてくる。




「尚のバカっ!早く離してよっ!!」




耐えられなくなり、尚を突き飛ばしてしまった。




「ってぇ…」




「な、尚が悪いもん!」




頭を押さえている尚を横目に教室を飛び出す。




みんなの目が痛いっ。




早くここから離れたいっ。



その一心で廊下を走り続けた。