重箱は三段なのだが三段目がやたらと大きい。




まさか子豚の丸焼きなんて入ってないよね。






みんなが注目する中、私はおそるおそる重箱の蓋を開ける。




開けてみると綺麗に彩られた料理が出てきた。




野乃葉ちゃん、疑ってごめんなさい。



こんなに美味しそうな料理なのに。






「凄い。これを一人で作ったなんて大変だったんじゃない?」



またまた、草壁君の嬉しい一言。



でも気が引けるなあ。




私はちらっと野乃葉ちゃんを見る。



野乃葉ちゃんは私に微笑んでくれた。






「信じられねえな。柚衣がこんな料理を作るなんて。食べてみるとまずいんじゃねえの?」



今度は琉生の余計な一言。





おかずはみんな5つずつ作られており、多くの料理に爪楊枝が刺さっている。



「とにかく食べよ」