「ところで、野乃葉ちゃん。大きな荷物を持ってるけど何それ?」


「お弁当だよ〜。みんなで食べようと思って〜、朝から作ってきたの〜」




さすが野乃葉ちゃん、女子力高いわ。


「やっぱり〜、男子の気を引くには手作り弁当だよ〜」


「ごもっともです」






私はせっかくのチャンスを逃した自分を恨むのであった。



でも、朝早く起きて弁当なんて私には無理だし・・・






「この弁当を〜、柚衣ちゃんが作ったことにすればいいよ〜」




私は目を大きく開けた。



「駄目だよ。そんな」


「いいよ〜」


「でも、朝早く起きて作ったのは野乃葉ちゃんだし・・・」


「じゃあ、草壁君がわたしのこと好きになってもいいの〜?」


「それはまずい!」


「じゃあ、柚衣ちゃんが作ったことにしよ〜」


「あ、ありがとう。この恩は一生忘れない」






私は野乃葉ちゃんから大きな包みを受け取る。