暫くすると、窓にこつんと何かが当たった音がした。




「中園君だよ〜」



野乃葉ちゃんがゆっくりと窓を開ける。






「今、草壁に電話したら、友達としてならいいよってことだ。もし、熱が下がってたら今度の日曜日にみんなでどこかに行こうだって」


「わかった。ありがとう」



沙耶ちゃんはすっと立ち上がり琉生にお礼を言った。




「行くのは5人でいいんだな」


「うん。どうしてそんなことを聞くの?」


沙耶ちゃんが落ち着いた口調で聞く。



「いや、普通は4人かなって思ったから」


「そんなこと言ったら野乃葉がかわいそうでしょ」


「それって〜、どういう意味〜」


「・・・夏上沙耶(なつかみさや)。只者じゃねえな」



琉生はそうボソッと言い残すと窓を閉めた。





「さあ、後は柚衣の熱次第だよ」


「わかった。頑張って熱を下げる。ぅうん」





私はおでこに全神経を集中させて唸る。






「38度9分か〜。熱上がってるよ〜」






結局、次の日も休んだ。