私は両手で顔を覆って逃げ出そうとすると、沙耶ちゃんが私を止めた。




「ありがとう、僕も君みたいな一途な子は大好きだよ」




今、何て!



私は手を顔から放して草壁君を見る。





「でも、今は自分に自信がないんだ。だから付き合えないけど」



ええ〜! 振られたの?



いじめられたっていいのに〜






「それに君には彼氏がいるじゃないか」


「い、いないよ!」


「中園君だよ。とても親しいんでしょ?」


「琉生?」


「ああ、中園君は君のことを話すとき、とても嬉しそうに話すんだ」


「琉生は隣に住む幼なじみってだけで恋愛対象じゃないよ」


「そうかなあ」


「そうです!」