ああ、外は暗くなり始めてるよ。





今夜はここに泊まらせられたりして。





「一番伝えなければいけない言葉が出てこないのは困ったものね」


「だって、いきなり『愛してます』は言い過ぎじゃない?」


「いや、第一印象は大切なの。よりインパクトを付けて言わなきゃいけないの」


「そんなものかな?」






その後、沙耶ちゃんの恋愛論が語られる中、練習は続けられるのであった。





そして先生に注意され、練習が終了した頃には外はすっかり暗くなっていた。




「こんなに暗くって、もし変質者が現れたらどうしよう」


「大丈夫だって。あたしたち狙う変質者なんかいないって」


「でも〜。柚衣ちゃんは可愛いよ〜」


「そうね。柚衣はそこそこ可愛いか」


「何、その中途半端な褒め方は」


「何てったって明日からは学校1の人気者、草壁君の彼女だもんね」


「ええ〜」


「そうだよ〜」


「今夜は『私は草壁君の彼女だ』と自己催眠をかけて寝るのだぞ」






結局私は自己催眠が強烈すぎて徹夜する羽目になってしまった。