コンコンっ
窓を見るとベランダで拓音が立っていた。
急いで開けると
「よっ、鈴音」
と、いつものように挨拶してくれた。
「拓音、その格好寒くない?半ズボンって…」
「俺は男だから!風邪引いたら、鈴音に看病してもらうし」
「何それ(笑)」
「いいだろ?」
また、調子のいいこと言いながら、手際よく望遠鏡を組み立てる。
「出来たぜ。鈴音覗いてみ?」
「うんっ!!」
そこには黒いパレットの上に、たくさんの星がキラキラ輝いていた。
一等星、二等星、三等星…赤や青や白…、どれも幻想的なものばかりで、私はうっとりした気分になった。
「キレーっ…」
「だろ?」
「うん!やっぱり、星っていいよね」
「そうだな!この星は何万年、何億年前の人達が見ていた光だからな。そう考えると、今俺達が見てる光もいつかは、星になるんだろうな」
「そっか…星って、旅するんだもんね」


