Spica~星の魔法~




独りで妄想を繰り広げていると拓音が私の名前を呼んだ。


「鈴音、学祭まであとどれ位だっけ?」


「あと2ヶ月」



「そうか…」


私達が通う星羅学園高等学校は、9月の下旬に学園祭がある。

今年天文部は、オリジナルのプラネタリウムを作ることにした。


拓音は頭が良いから、理数系も文系も出来る。だから、訳が分からない配線の配置とか余裕でこなせる。


ただ、この教室いっぱいで楽しめるようなプラネタリウムを作るには結構な制作費と手間がかかる。


6月から進めてきたこの企画だが、1ヶ月経ってできたのは四分の一程度。


「プラネタリウム出来そう?」



「ん~、あと一週間で夏休みだろ?やっぱり、夏休みも出なきゃ無理かもな」



「じゃあ、私も手伝うよ」


「サンキュ!アイツ等はまた補習?」


「うん、しかも2人揃って英語と数学(笑)」



「マジか~(笑)文系、理数系どっちなんだよ(笑)」