隣には俯いてる莉音琉が居た。


「莉音琉…お前まさか…」


「……」


「お前っ…「おはよっ!」っ!鈴音…」


鈴音の元気な声が聞こえてきた。


~音虎 SIDE終了~


「おはよっ!」


いつもと同じように登校した。

教室に入るとみんなからの痛い視線。



「どうしたの??」


「どうしたじゃないわよ、これ見なさいよ」


差し出されたのは昨日の拓音との写真。

見上げた黒板には、私たちをからかうような落書き。


「イタッ。鈴音、なんでこんなとこに突っ立って…つーかお前らもどうした」



「どうしたもこうしたもないから、王子。星学の王子の株も落ちたな」


「は?鈴音何があったんだ?」


拓音の優しい声なんて、今は耳に入らない。


私は無我夢中で黒板の写真を剥がし、落書きを消した。

すると、拓音がようやく理解したのか、言葉を発した。


「何だよ、あれ。誰だよやった奴!」


「ありえないよねぇ、少し可愛いからって!アンタにはこれがお似合いよ」

ザッパーン


私はなにが起こったか分からなかった。


でも、滴る水。

そうか、水をかけられたのか。



「おい、何してんだよ、お前!」
「イヤ~ン王子に話し掛けられた♡」
「つーか、お前が悪いんだろ」
「そうそう自業自得?」


「テメェ…」