「あぁ、そうだな」


望遠鏡を、少し右にずらすと夏の大三角があった。


「拓音!!見て、夏の大三角!」



「お、どれどれ?おー、あれがデネブ、アルタイル、そしてあれがベガ。あ、織り姫もある」



「彦星は??」



「彦星…見当たらないな。七夕終わったから帰っちゃったんじゃね?」



「また、来年会えるといいね」



~莉音琉 SIDE~


prrrrrr…


「はい、もしもし」


「音虎?莉音琉だけど…」


「おう、こんな時間にどうした?」


「あのね…ウチ………なの…」



「え……マジで…」


「うん…」



数分話してウチは電話を切った。


携帯画面を見ると、見知らぬ人からメールが来ていた。



そこには、

木ノ宮鈴音の家へ行くとお前の知りたいことが分かるだろう。 


とあったから、ウチは上着を羽織り鈴の家に向かった。


鈴の家の近くで私は足を止めた。


「鈴音、寒くない?これ着とけ」

って、拓音が鈴に着ていたパーカーを羽織らせた。


何で…何で拓音が居るの…。


確かに幼なじみって聞いてるけど…もしかして、付き合ってるの…?


自分が知らなかったことに無性に腹が立った、それだけじゃなくて、鈴が羨ましいっていう思いと妬みの思い。

「ごめんね…鈴…」


~莉音琉 SIDE終了~