「そう言ってもらえて嬉しいです。では。」



そう言ってサラリーマンさんは職員室の方へ去って行った。

私はその後ろ姿を目に焼き付けた。

たった5分、10分だけだったが、とても濃い時間だった。

だけど、もうその時間は戻ってこないし、彼も戻ってこない。




さようなら




そう思いながら、靴を履き替えた。