実は私と中田君は同じ司会係で、ここ最近話すことが多い。

そのせいか、吹奏楽部でない一部の人の間で、私と中田君の噂が流れてしまっているらしい。

現に、今楽器を運んでいる最中も、その様子をみた同じ学年の人が噂しているのが聞こえた。



(高宮先生にまで届いていませんように...。)



ただでさえ、あの補習の時に勘違いされているから。



「ありがとね、結衣ちゃん。」

「いえいえ。」

「あの...今日一緒に帰らない?」