窓際の席に戻ってきた。
と言っても、私の元いた席は見えないけど。
やっぱり広い。
くんくん、くんくん。
…うん。
さっきより、近い。
あったかくて、幸せな気分になれる不思議な匂い。
どこだろう。
本棚の間を縫って匂いを探す。
けど。

『…戻ってきちゃった』

元いた席に着いちゃった。
あれ、なんで?

『う~。見つからん…』

ガタ。
イスを引いて元いた席…窓際の一番うしろの席に座る。
で、とりあえず前を向く。
向かいの席に男の子がいた。
うん。


…え?
男の子?
えっ。
いつの間に。
まったく気が付かなかった。
男の子、私の方見てる。

『…こんにちは?』

とりあえず、挨拶してみた。
ん~、今授業中のはずだし。
…もしかして、この人もさぼり?
だとしたら、私この人と波長あう。絶対。
だけど。
男の子はぽかんとしてて。

『あり?』

さぼり仲間がいてびっくりしてる?
そう思ったらその男の子はいきなり勢いよく立って


「お、おれが見えるの?」



って。
…え、どうゆうこと?