やっとグラウンドまで来れた。
あれからかれこれ10分以上人にもみくちゃにされてた。
校門でパパが待ってるのが見える。
『パパ!』
そう言って、思わずパパの所に走ろうとした。
けど。
そういえば、ここからだと図書室見える。
そう思って3階の一番右端の窓を見た。
そこは、窓際の一番うしろの席。
私と彼方の特等席。
…いた。
彼方だ。
こっちを見て、ちょっと悲しそうに笑ってる。
胸が痛む。
やっぱり図書室に行こうかな。
そう思ったとき。
「たんじょうび、おめでとう」
って、彼方の口が動いた。
見たことないような、優しい笑顔で。
やばい。
嬉しい。
やっぱり図書室に行きたい。
そう思ったけど。
彼方がスっと私の後ろ…校門を指差して。
「いって」
って。
彼方…。
きっと彼方がそう言うのは、私が家族が大好きなのを知ってるから。
なかなかパパとママと私が揃うことがなくて、今日をすっごく楽しみにしてたこと、わかってるから。
彼方、優し過ぎるよ…。
優し過ぎて困っちゃうよ。
私は肺いっぱいに空気を吸い込んだ。
で。
『ありがとーっ!』
ってね。
彼方に伝わるように大声で言った。
グラウンドにちらほらいる生徒がびっくりした顔で私を見る。
だけど、気にしない。
そうして私もにこって彼方に笑いかけた。
嬉しい、幸せ、ありがとうって込めて。
…何か、彼方の顔見るのちょっと恥ずかしい。
くるり、方向転換。
今度こそパパの所に走る。
車に乗ったらパパに何かいいことでもあったのかいって聞かれた。
それから、顔が真っ赤だよ、とも言われた。
私は顔を隠すのに必死でそれに答えられない。
もう、彼方のせいだから。
全部、ぜーんぶ。
あれからかれこれ10分以上人にもみくちゃにされてた。
校門でパパが待ってるのが見える。
『パパ!』
そう言って、思わずパパの所に走ろうとした。
けど。
そういえば、ここからだと図書室見える。
そう思って3階の一番右端の窓を見た。
そこは、窓際の一番うしろの席。
私と彼方の特等席。
…いた。
彼方だ。
こっちを見て、ちょっと悲しそうに笑ってる。
胸が痛む。
やっぱり図書室に行こうかな。
そう思ったとき。
「たんじょうび、おめでとう」
って、彼方の口が動いた。
見たことないような、優しい笑顔で。
やばい。
嬉しい。
やっぱり図書室に行きたい。
そう思ったけど。
彼方がスっと私の後ろ…校門を指差して。
「いって」
って。
彼方…。
きっと彼方がそう言うのは、私が家族が大好きなのを知ってるから。
なかなかパパとママと私が揃うことがなくて、今日をすっごく楽しみにしてたこと、わかってるから。
彼方、優し過ぎるよ…。
優し過ぎて困っちゃうよ。
私は肺いっぱいに空気を吸い込んだ。
で。
『ありがとーっ!』
ってね。
彼方に伝わるように大声で言った。
グラウンドにちらほらいる生徒がびっくりした顔で私を見る。
だけど、気にしない。
そうして私もにこって彼方に笑いかけた。
嬉しい、幸せ、ありがとうって込めて。
…何か、彼方の顔見るのちょっと恥ずかしい。
くるり、方向転換。
今度こそパパの所に走る。
車に乗ったらパパに何かいいことでもあったのかいって聞かれた。
それから、顔が真っ赤だよ、とも言われた。
私は顔を隠すのに必死でそれに答えられない。
もう、彼方のせいだから。
全部、ぜーんぶ。
