ユーレイ君と、秘密の1年。

7月7日。

…遂に、来た。
私の誕生日、7月7日。
今日は朝から機嫌がいい。
それに、遅刻しても川村先生に怒られなかった。
びっくり。
クラスメートの子達にも、いっぱいおめでとうって言ってもらった。
プレゼントくれる子もいた。
ふふ、幸せ。
やっぱり誕生日って最高!
放課後は彼方にも祝ってもらえるし、ね。




「澤田先輩っ17歳、おめでとうございます」

『ありがとー』

「澤田、はいこれ。プレゼント」

「あ、わたしもーっ!はい、那葵ちゃんっ」

『わっ、ありがと、先輩』

「那葵、誕生日おめでとう」

『あ、ゆうありがとっ』

私、モテモテ?
先輩、後輩からのプレゼントも結構あった。
…知らない子からのもちらほらと。
まぁ、いーや。
すっごく嬉しい。
朝はすかすかだったカバンも、プレゼントで太ってパンパン。
でも。
でもね?
彼方に会いに行けないーっ。
どうしよう…今日はパパが車で学校に迎えに来るって言ってたのに。

『みんな、ありがとう。私そろそろ…』

ブーッ、ブーッ。

あ、スマホ鳴ってる…。
メール、パパから。
もう着いたって。

彼方…。

でも、パパを待たせるわけにはいかない。
ごめん、彼方…。本当にごめんなさい。
明日、また謝らなきゃ。
そう思いながら人波をかき分けて、下駄箱に向かった。