家に帰ってもイライラが収まらない。
イライラ…。
何で…。
わかんないよ。
ベッドにダイブ。
はぁ…。

ブーッブーッ。

あ、メール。
憂鬱な思いを引っ張って、スマホをタップ。
結里からだ。
あー…。
内容、わかったかも。



───
那葵~っ!

今日金曜日だよ!
先生に2日も会えないなんて辛いよ~…。



‐END‐
───



あー…。
やっぱり。
結里、川村先生大好きなんだから。
毎週金曜日はショボーンとしてるし。
私、スマホをまたタップ。
結里に大丈夫だよって返事をする。
私も結里に会えないの辛いよ。

…辛い?
会えなくなるって、辛い。
今日、私彼方と話してるときに、彼方が自分のこと知って未練をなくしたら、彼方と会えなくなるかもって、心のどこかで思った。
そしたらイラってして…。
あれ?
あれれ?
私のこれ、本当にイライラ?

…違う。
私。
辛かったんだ。
悲しかったんだ。
イライラじゃない。
彼方の未練がなくなって、成仏しちゃったら…。
もう、彼方と会えなくなるかもしれない。
そう考えて、焦って、悲しくなって、辛いって思ったんだ。
ああもう。
私のバカ。
おバカさん。
また彼方に悪いことしちゃった。
もしかしたら、彼方を傷つけちゃったかも…。

『彼方、ごめん…』

ベッドの中で呟いてみるけど、彼方に届く訳じゃない。
月曜日、ちゃんと彼方に謝ろっと。
私は決心して、暖かいベッドの中にまどろんでいった。