皆さん、おはよう。ただいま学校に到着いたしました。
時計の針は9時37分を示してる。
今、9時37分。
私、遅刻。
2‐4のプレートの見える廊下で担任の先生と二者面談。

「澤田…お前は今日も遅刻か。まだ4月だぞ。いい加減にしろ!」

『…』

ああもう。うるさいな。そのうち鼓膜がパーンっていうよ。
先生。
私の、2‐4のクラスの担任、川村 秋也。
26歳。
超新米教師。
あだ名はしゅうやん。
そこそこイケメン。
黒髪サラサラ。
うるさい。

『あ…』

むっ…。
廊下を移動中のあの黒髪ちゃんは親友、結里だ。行かなきゃ。

『先生ごめん。またね』

私はそう言うと黒髪ちゃんもとい結里を追い掛けた。
うしろから先生の声が聞こえるけど、しーらない。
だって、結里だもん。

『ゆ~り~』

「あ、那葵。おはよう」

『おはよ』

結里。
私のだーいすきな親友、坂井 結里。
黒髪の猫毛2つ結び。
1年から同じクラスで超仲いい。
かわいい。
超かわいい。
でも、制服きちんと着すぎ。
スカート膝丈なのはいただけないね。
2つ結びは…うーん、かわいいし、似合ってるから許す。


「那葵、川村先生のこと困らしちゃだめだよ」

『…はーい』

ちっ。
結里はね、川村先生のことが好きなの。
あ、LikeじゃなくてLoveね。
川村先生、顔はいいからね。競争率はちょっと高め。
結里、ファイト。