その時、伏見が顔を上げた。 頬を押さえていた手を振り上げ、野並さんを平手打ちする。 『梨央ちゃん…!!』 その場にへたり込む野並さんのもとへすぐさま隼人が駆け寄る。 それを辛そうな顔で見た後、伏見は鞄を掴んで教室を飛び出した。 『なに、どういう事?』 『梨央が嘘ついたってことだよね…』 教室がざわつく。 「…伏見は、野並さんを悪者にすることを望んでない。 お前ら、友達ならそれ位わかってやれよ」 教室に投げかけると、教室の外へ勢い良く走り出す。 外はすでに暗くなっていた。