次の日。
少しの緊張と共に教室へ入る。
『小虎、おはよー』
「おはよ」
すれ違うクラスメイトに挨拶を返す。
席に座ると、教室の真ん中で談笑する伏見の姿が目に入る。
胸が高鳴るような、気恥ずかしいような感情が押し寄せる。
『あ、ちょっと行ってくる!』
伏見は友人にそう言うと、こちらへ歩いてくる。
『小虎!おはよっ!』
「ん、おはよ」
簡単に挨拶を済ませると前の席に腰掛ける。
ただ、それだけの事なのに全てがすごく特別なものに思えた。
今日の伏見は、髪の毛をアップにしていた。
いわゆるポニーテールだ。
「髪の毛…」
『えっ?』
伏見がこちらを見る。
女の子の褒め方なんて知らない。
なんて言えばいいのか、考えていると、
『へ、変かなぁ…?』
伏見が続ける。
「あ…」『おっす!』
言いかけると同時に、肩を叩かれる。
隼人だ。
『あれ?伏見?
こんなとこにいるなんて、めずらしいねー。』
『あ、うん!おはよ!』
二人して取り繕うような、変な態度になる。
『あ、行くね!お邪魔しました!』
伏見は席を立つと、
自分の席へ戻っていった。


