「とりあえず荷物中まで運ぼうか」
拓哉に言われ靴を脱いで部屋に入る、なんだか自分の家じゃないみたい...。

「荷物かたずけたら、とりあえずおじいさんに確認いてみたら?家に入れる可能性高いのおじいさんなんだし」

「そうしてみます。」
スーパーで買った食材を空っぽの冷蔵庫に詰めて電話をかけた。

「Prrrrr......。Prrrrr.....。ガチャ。」

「もしもし、遥香です。今少しだけお時間大丈夫ですか?」

「要件はなんだ」
会話が続いたのでOKと判断し会話を続けた。

「私の家の合鍵なんて持ってませんよね?」

「あーそのことならお前の鞄に入っていた鍵を借りただけだ。
換気しなきゃ空気が悪いし、埃もたまるだろうからハウスキーパーを雇っておいた。一通りの掃除はさせておいたから空気は悪くなかっただろう?」

たしかに2~3か月掃除しなかったら汚い部屋に拓哉先輩を入れることになってただろうからそこは感謝するけど....。

「一言ほしかったです、家が綺麗すぎて違和感感じたので....。」

「......。要件は以上か?切るぞ。」
ツーツーツー。

携帯を耳にあてながら動かない遥香を見て拓哉が声をかける

「大丈夫だった?おじいさんが掃除してくれた感じかな?」

「いえ、勝手にハウスキーパー雇ってたみたいです。まぁ盗まれて困るものはないんですけど、ほんと勝手で....。」

乾いた笑みをうかべる遥香を見てなんて声を掛けていいか迷う拓哉。

「空き巣とかじゃなくて安心したね」

「はい、拓哉先輩ここまで運んでくれてありがとうございました。」

「いえいえ。はるさこの後なんかやることある?」

「夕飯作ってその間に洗濯回して乾燥機かけるぐらいですかね」

「そっか、時間あるならすこし付き合ってほしい所があるんだけど」

「ん?どこか行くんですか?」

「遠くはないんだけど、まぁ着いたらのお楽しみかな?」

いろいろ疑問を持ちながらもいいですよ、と返事をし先ほど買った食材を
冷蔵庫に詰めてから遥香は拓哉と部屋を出た。