帰ったら拓哉に聞かなきゃ。

「しばらくしてここの庭園がすごいと話題になって今じゃ商談の時とかにも使われるようになって売上が急に上がったみたいだよ。
季代さんには感謝されて破格価格でご飯をごちそうになれるってわけ。」

「なるほど。」
ガラガラガラ。

「ご飯をお持ちしました」
襖をあけ季代さんがご飯を運んでくれる。

「極上天丼は遥香ちゃんね」

「そうです、ありがとうございます。」
目の前に置かれたミニサラダに小鉢一品、お新香。
お味噌汁を開けてみるといい匂いのするあさりのお味噌汁。
メインの天丼には海老、穴子、帆立、蓮根、インゲン、南瓜と私の大好物だらけの具だった。

「これ、メニューの具とは違いますよね?」
メニューは確か海老×2、いか、かき揚げ、舞茸、茄子だったはず.....。

「いつも遥香ちゃんはこれでしょ?」
当たり前と言うような顔をする季代さん。

「はい、洸希君はこれね」
洸希の前に置かれたのはグツグツと音を立てるチキン味噌カツ煮込み
お茶碗に大盛りの白米とお替わりよう用なのかちいさなおひつまで

「これこれ、ありがとう季代さん」

「さぁ温かいうちに食べてね」
ニコニコしながら季代さんは出て行った。

「ねぇ、私のメニューとは具が違うんだけど」

「うん、遥香のはオーダーメイド天丼だね」