倉庫何に入っていくと倒れている人とかがいる。
全く動かない人も。まさか......
怖くて隣に歩いている洸希の腕に思わずしがみつく。
「大丈夫、死人は居ないよ。気絶してるか寝てるかだけだから。」
私の言いたいことが分かるように聞きたいことの答えを返してくれる。
「そう.........。」
って言われても怖いものは怖いって‼
なに?気絶するほどやばい喧嘩なの!?
奥に進むにつれ殴り合いの音がよりはっきりと聞こえる。
「遥香‼」
そう言い近寄り抱きしめてくれたのは風翔だった。
風翔が一番低いとはいえ私と15cmも差があるから私の顔は風翔の肩辺りに埋もれた
「大丈夫!?なにもされてない??」
「うん、今回は本当にされてない。少し脅されて手を強く握られただけで他は触られなかったよ。」
「ほんとよかった。」
そっと抱きしめる腕をほどいてくれた風翔その肩越しに見えたのは
拓哉が誰かと殴り合いをしている光景だった。
いつも穏やかで優しい拓哉からは想像できない姿。
相手はもうフラフラで拓哉の攻撃をかわすので精一杯。
なのに拓哉はかまわず殴り、蹴り続けている。
私はこの世界の事は分からない。
けど.........”もう いいんじゃない?”
そう言いたくなる光景。
でも私にそんな発言の権利があるとは思えない。だから
黙って洸希の横で見ているしかなかった。
