「又、会えますか?」

「うーん、分からない。でも、君が望むなら。じゃ。」
そう言い蒼汰さんは暗闇に消えて行った。

そしてすぐに車の急ブレーキの音が倉庫の外から聞こえた。
蒼汰さんが言っていたように洸希なのかな?

開いているシャッターから洸希が入ってくるのが見えた。

「遥香‼」
私の姿を見ると駆け寄ってくれる洸希。
ぎっゅと痛いぐらい私の腕をつかんで
「なにもされてないか?」

「うん、脅されはしたけど手は出されてないよ。」
そう洸希に言うと安心したようで下を向きながらため息をはいていた。

「良かった。心配したんだ。」
腕を掴まれている強さからまた心配をかけてしまったんだと反省する。

「で、なんであいつが倒れてるの?」
私から離れた所に壁を背につけ左手で蒼汰さんに殴られた横腹をかばっていた。

「ボディーガードを雇ってたのは想定外でした。そんなに姫ちゃんが大事ですか??」

「は?ボディーガード?何の話だよ?」

「ふっ。とぼけないでくださいよ。あんなに強い人誰から紹介してもらったんですか?教えてくださいよ~」

「話が見えないんだけど」

「あー、もういいよ。」
よいしょと言い立ち上がるとヨタヨタと歩きながら自分のバイクに向かい乗った中村。

「俺はお前らと一緒には行きたくねーから。」
そうバイクを走らせ倉庫から出て行った。